
遠い記憶をたどれば、ケストナー『飛ぶ教室』のこんなことば「子どもの涙はけっしておとなの涙より小さいものではなく、おとなの涙より重いことだって、めずらしくありません」に、10歳の私は「そうだ!
そうだ!」って心の中で叫んでいたし、その共感の記憶は今でもしっかり焼きついています。人生の節目節目で私の心の価値のひとつとなってきたといえるかもしれません。その『飛ぶ教室』は小学校の図書館にあったのでした。
今、70歳になった私は、昨年ご縁あって住むことになった清瀬市で、どうも図書館を娯楽施設に変えようとしているらしき市長さんの図書館再編計画に遭遇してしまいました。
そして先週、子ども用読書席もある竹丘地域図書館(ここも3月で閉館)で写真を撮していて確信しました。「こんな素敵なカッコいい図書館の廃止は<野蛮>に違いない!」ってね。
この時代に良い公共図書館がほんとうに必要なワケを考えてみた
清瀬市立図書館のこと、いよいよ市長(澁谷桂司氏)と、また市議会での激しい対決にはいったようだ。
今日は思い立って竹丘図書館へ。ここも3月いっぱいで廃止とされているが、とても良い地域図書館になっている。野塩や下宿よりはるかに広く明るく、まんなかには児童図書コーナーがしっかりある。
“三月で廃止”って! 絶句の女性
司書の青年にいくつか教えてもらった後、フロアを廻った。南向きの窓にそって閲覧テーブルが並ぶ。中高年の男性が10人ほど。新聞拡げていたり、居場所のように使われているようだ。それから何より書籍が充実していることに感心。児童書は19,000点超で6館中元町こども図書館に次ぐし、文学書20,000点超は野塩・下宿を凌ぐ。
閲覧テーブルの女性に声がけしたら、時々来るらしい。それで「(3月に)廃止になったらどちらへ?」って聞いたら、「エッ!ほんとソレ?」みたいな。そして「ショック!」と言ったきりしばし沈黙。署名運動は見かけたらしいけど、竹丘まで本当に廃止になるとは思っていなかったようだ。確かに館内に3月末で閉館という告知の一枚も見当たらない。その方、
“そんなことできるの?” “やっていいことなの!”
って、憤慨のごようす。
ほんとうに私もそう思います。